国際会議の業務(2)

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JNTOコンベンションニュース Vol 34 (2012年12月)掲載分

 

前回は、会議の誘致や広報について説明しました。今回は、論文募集から開催準備までについて取り上げます。

〜その2:準備編〜

論文受付と申し込み受付

小規模の会議であれば、メールでの応募を受け付けることはあり得ますが、会議の規模ある程度大きくなると、査読者への割当を含み実行委員にとって多くのメールのやり取りが強いられます。メールの見落としなどを避けるため、小規模のイベントでも論文管理システムを用いることが望ましいです。論文管理システムとは、投稿者への連絡、査読割当、採録論文決定、プログラム作成などを一つのシステムで行えるソフトウェアです。ウェブベースで提供されているものもあります。例えば、「Confmaster」、「Openconf」、「Easychair」などはフリーもしくは安価でポピュラーなシステムです。これらを用いることで、論文投稿を行った著者には自動的に受付確認メールが配信されます。また、査読者へのリマインダなども容易になります。

参加申し込み受付

参加申し込み受付に不可欠なものは、カード決済ができることです。小規模で参加者の大部分が日本人参加者であれば、銀行振込で足ることも多いのですが、ある程度の規模になり、海外の参加者が多い場合は、カード決済が不可欠です。クレジットカード会社には国際会議向け加盟店の申し込みの枠もあります。加盟店契約を行う場合は、加盟店審査で一定期間必要となりますので、できれば参加申し込み締め切りの半年以上前に行うことが望ましいです。予算が十分にある会議であればPCOに相談することも可能性の一つとして考えられます。また、ペイパルなどの送金システムも一つの手段です。ただし、近年の送金詐欺やトラブルにより、格段に審査が厳しくなっています。国際学会によっては、カード決済システムのレンタルを行っている学会もありますので、確認するのがいいでしょう。

会議開催地および施設、ホテルとの打ち合せと準備

会議開催において成功の秘訣は、主催者が準備し提供するものが参加者にとって何になるかを考えることです。例えば、地域の首長等の来賓挨拶は、参加者にとって、本当に歓迎されているという感動を生みます。都道府県や市町村の観光課に一度足を運ぶことはそれを実現させます(地域コンベンションビューローに仲介してもらえることもあります)。また、会議施設(ホテル等で開催される場合も同様)では、そこをどのように使うかをシミュレーションして、会議受付デスクの場所、参加者の導線、憩いの場所、コーヒーブレークの場所を決定していきます。大規模な会議であれば、コーヒーブレークの際に多くの人にコーヒーがサービスできるような設計が必要です。会議のために、オフィシャルホテルを設定する際には、担当者と事前に打合せを実施し、その際に価格交渉を行うことも実行委員として重要な業務です。

効果的な人員の配置

うまくいかない会議の多くに、過剰な会議スタッフが見受けられます。スタッフが多くなればミスコミュニケーションも増えますし、各自の責任感も薄れます。また、手持ち無沙汰でフラストレーションもたまっていきます。そこで、人員は最小限に配置することが肝要です。例えば、受付デスクにおいては、会議参加者数の2~5%程度でたいていは十分です(500人なら10~20人程度)。

まとめ

  1. 論文管理や申し込み管理は専用のソフトウェアやシステムを用いることで仕事量が軽減される。
  2. ミスコミュニケーションを少なくすることが、より良い会議への道。地域コンベンションビューロー、施設、ホテルとのコミュニケーションは密に。
  3. 会議の成功や会議場の利便性は、会議スタッフの数によらない。